コンセプトエール

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コンセプト賃貸は金持ちオーナーの道楽???

投稿日:2019年4月28日 更新日:

テレビや雑誌、新聞等でコンセプト賃貸が特集されているのを見て、「面白いけど、こんな物件をつくったら家賃を相当高くしないとコストが回収できないよね」と言われるオーナーさんや建築会社、管理会社がたくさんおられます。
実際、メディアで取り上げるコンセプト賃貸を見ていると、私もそう感じることがありますが、「コンセプト賃貸=金持ちオーナーの道楽」というイメージを持たれているとしたら、それは大きな誤りです。
今回はその誤解をじっくりと解いていきたいと思います。

> コンセプト賃貸プロデュースに豊富な資金は必要か?

メディアでコンセプト賃貸の特集が組まれるとき、「楽器演奏可物件」、「ペット飼育可物件」「ガレージハウス」などが取り上げられることが多い。
「楽器演奏可物件」なら防音性能が極めて高い物件、「ペット飼育可物件」ならドッグランや足洗い場、キャットウォークなどが備えられた物件、ガレージハウスなら大型車を複数台保管でき、セキュリティーも充実した物件がよく紹介される。
これらの情報を見ていて、「コンセプト賃貸は確かに魅力的だけれど、相当な設備投資が必要そうだな」と思われたことはないだろうか?
そして、建築コストが通常より多くかかることから、「土地から購入するのでは採算がとれない」と感じ、「地主さんでないと無理だろうな」と判断する人も少なくない。
それは100%間違いとは言えないが、「木を見て森を見ず」的な考え方でもある。
「コンセプト賃貸は採算が取りづらい」「地主さんの道楽」などと言われる方たちに、私は「コンセプト賃貸にもさまざまな種類があり、中にはコストがさほどかからないものもありますが、ご存知でしょうか?」と訊くと、きょとんとされることが何度かあった。
私は少なくとも4つに分類することができると思っているのだが、今回はその説明から始めてみたい。

> コンセプト賃貸 4つのタイプ

当社が運営しているウェブマガジン「ワクワク賃貸®」で数々のコンセプト賃貸を紹介している。
そこに掲載している物件群の要素を整理し、次の4つに分類してみた。まずはそれを簡単にご紹介してみよう。

タイプ1

「個性のある設備やサービスがあるもの」

コンセプトに添った設備やサービスが充実している賃貸物件である。
前述の「楽器演奏可」「ペット飼育可」「ガレージハウス」はこのタイプ1に属している。
そのほか「アンティーク家具付き物件」「ゴルフ練習ができる物件」「アスレチックネットが張られている物件」「家具工房が使える物件」などが挙げられる。
 一般的に「コンセプト賃貸」と聞くと、このタイプを連想される方が多いようだ。

タイプ2

「コミュニティー賃貸」

入居者さん同士が交流しあい、豊かなコミュニティーを築いていくことを目的につくられた賃貸物件である。
イベント(オーナーが企画する場合と入居者さんが自分たちで企画する場合とがある)を通して親しく交わるほか、家庭菜園やシェアキッチンなどを用いて普段から一緒に楽しく暮らすものなどがある。

タイプ3

「DIY賃貸」

入居者さんがDIYで壁紙を張り替えたりペンキを塗ったりしてオリジナルの内装を施し楽しむほか、棚や照明器具などをつくって生活の利便性をUPさせることができる賃貸物件である。
オーナーが材料費等を負担(一部負担も含む)する場合もある。

タイプ4

「コンセプト&入居者ターゲットを変えただけのもの」

物件はそのまま何もいじらず、コンセプトとそれに伴う入居者ターゲットを変えるだけというコンセプト賃貸である。
具体例は後述するが、オーナー側からすると、コストがかからず満室にでき、入居者さんにとっては、自分の希望通りの暮らし方ができるので、ともに満足度が高くなるコンセプト賃貸だ。

> 特別な設備やサービスをつくらなくてもコンセプト賃貸はできる

こうしてコンセプト賃貸のタイプを4つ並べて見るとおわかりいただけるかと思うが、多額のコストを要するのはタイプ1だけで、あとの3つはローコストもしくはノーコストでできあがるコンセプト賃貸である。
タイプ1は話題性があるのでメディアでもよく取り上げられる。そのためコンセプト賃貸をプロデュースするにはお金がかかると勘違いする人が増えてしまう。
ただ勘違いされるだけならよいのだが、私がコンセプト賃貸の話をしようとすると夢想家扱いされてしまうことがしばしばあり、「全ての賃貸物件にコンセプトは必要」だと考えている私にとっては弊害だ。
メディアが「コンセプト賃貸」という言葉を使うときには、このことをもう少し意識していただきたいといつも思っている。

> 入居者ターゲットを変えただけでできたコンセプト賃貸の事例

コンセプト賃貸の4つのタイプのなかで、もっともコストがかからないのはタイプ4「コンセプト&入居者ターゲットを変えただけのもの」だ。
今回は具体例を2つお伝えしよう。

ひとつは店舗兼住居の店舗部分を多目的スペースに変えたケース。
当社では「ガレッジハウス」という事業名称をつけ、いくつも成功させてきている。
最初に手掛けたのは、1階が古本屋、2階が住居になっている戸建て物件だった。
この古本屋だった店舗スペースから書棚を全て撤去し、ガランとした土間空間にした。そこを「趣味を思い切り楽しめる空間」と定義づけ、入居者募集をしたところ、アトリエを探していた美大出身の男性がすぐに借りてくださった。
これを皮切りに、同様の企画を打ち出していくと、水槽を並べて自分だけのアクアリウムをつくりたい方やDIYで家具をつくりたい方などが入居してくださった。
これは入居者ターゲットを「お店をやりたい方」から「趣味を楽しみたい方」に変えただけで、特別な工事はほとんどしていない。

もうひとつは2DKの部屋をルームシェア歓迎物件として広報し成約したケース。
2DKの部屋はニーズが少ないからと1LDKにリノベーションしてしまうのが流行りだが、そういう工事は行わず、ルームシェアができる部屋を探している方(友人同士だったり、兄弟だったり)に貸し出す方法である。
ルームシェアは「騒がしい」「家賃滞納が多い」「ひとりが転勤・結婚などの理由で退去すれば、すぐに解約となる」などの理由で敬遠されるオーナーさんが多いため、需要の大きさにくらべ供給がとても少ない。
しかし騒がしいことが心配ならば定期借家契約にして、「騒いだら再契約しませんよ」と伝えればよいし、保証会社を使えば家賃滞納も心配がなくなる。退去が多いという意見については、「新しいシェアメイトを探してきたらどうでしょう?」と言うと、一生懸命探してきて、解約にならずに済むことがよくある。
いずれも現在の新しい法律、サービスを使ったり、柔軟に対応したりしさえすれば解決できることで、2DKを求めている人に提供すれば工事代はかからないのだから、オーナーさんにとっても得だろう。

ここで申し上げたいのは、タイプ1もタイプ4もコンセプト賃貸に変わりはないということである。大切なことはコンセプトとそれに添った入居者ターゲットを絞り、物件力を磨くこと。「コンセプト賃貸はコストがかかるから躊躇してしまう」という発想は早くに捨てていただければと思う。

> まとめ~コンセプトと入居者ターゲットを設定しようという考えが大切です

それでは本日のまとめです。

  • コンセプト賃貸は設備やサービスをつくりこむのにコストが多くかかるから、採算が取れない、という考え方は「木を見て森を見ず」だと言える。
  • コンセプト賃貸には「個性のある設備やサービスがあるもの」、「コミュニティー賃貸」、「DIY賃貸」、「コンセプト&入居者ターゲットを変えただけのもの」という4つのタイプがある。
  • 4つのタイプのうちコストが多くかかるのは「個性のある設備やサービスがあるもの」だけであるが、メディアはそれだけがコンセプト賃貸であるというような謳い方をするので、「コンセプト賃貸=コストがかかり採算が取りづらい」というイメージが先行してしまっている。
  • コンセプト&入居者ターゲットを変えただけでできたコンセプト賃貸は、最もコストがかからないタイプ。コストをかけなくても立派にコンセプト賃貸をプロデュースできる。

最近まで「賃貸住宅にコンセプトを設け、それに添った入居者ターゲットを定める」という発想はほとんど語られることがありませんでした。 そして「コンセプト賃貸」という言葉がメディアで謳われるようになると、今度は「金持ちオーナーの道楽」的な意見が目立ち始めました。 変化することを認めたくない気持ち、従来のあり方に安住したい気持ちがそうさせるのかもしれません。 しかし、「賃貸物件数>入居者数」という構図が生まれてしまった以上、「賃貸住宅は万人に愛されるものをつくることが大事」という考えは残念ながらもう通用しないと思います。 時代の変化にしっかり対応し、賃貸経営者としてしっかりと生き延びていただきたい。そのためにコンセプトの必要性を今一度見つめ直していただきたいと願っています。

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